Kesinの知見置き場

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大学の研究で役に立ったもの(サービス編)

数年間大学で学生として研究生活をしていましたが、今年の3月をもって無事に大学院を卒業できそうです。
そんなわけで過去を振り返るのと、これから大学で研究生活が始まる人に向けて、自分が大学で研究をする上で色々便利だったアレコレを数回に分けて紹介したいと思います。

ちなみに、自分の研究は情報系で、研究室のテーマは自然言語処理、音声言語処理、機械学習関係でした。
あくまで自分には役に立った、ということで情報系以外の分野の人には当てはまらないことも多いと思います。

大学の研究で役に立ったものシリーズの記事

Dropbox

もはや説明不要だと思いますが、クラウドとローカルでファイルの同期ができるサービスの定番です。 論文のPDF、報告資料、論文のtex、プログラムのコードなど全てDropboxに保存していました。研究室と自宅で同じ環境になるので、使用するPCが変わってもそのまま作業が続けられて非常に便利です。

今ではGoogle Drive、OneDrive(旧SkyDrive)やその他の容量をウリにする新しいサービスに比べて無料の容量枠が小さく見えがちですが、他のサービスと連携したり、ちょくちょく行われるゲームなどのイベントに参加するとボーナスで無料枠がもらえます。(最近あまりないかも?)
自分は大学対抗紹介サービスのときにガッツリ頂いて、無料で約20GB使えています。社会人になったらこのボーナス分が消えるのが結構痛い・・・

他のメリットとして、連携できるWebサービススマホアプリが圧倒的に多いです。
今だとGoogle Drive, OneDriveにも対応しているサービスが多いとは思いますが、クラウドストレージはモバイルと連携できないと魅力半減なので、Dropboxはこの点で強いですね。

2014/02/24追記
Dropboxの自動でバージョン管理という神機能の紹介を忘れていました。
Dropboxはファイルを保存するたびに過去のバージョンを自動で記録してくれていて、Dropboxのサイトにアクセスするか、右クリックから過去のバージョンを確認して復元することができます。
うっかり重要な一文を消去した後に上書き保存してしまったり、ファイルを削除してしまっても元の状態に戻すことができるので安心です

Evernote

これも説明不要の鉄板サービスだと思います。
気になった論文や、学会で聴いた講演のメモなどにお世話になりました。アウトラインを作るのが簡単で、メモとの相性がいいです。
iOSアプリからでも編集できるので、出先でアイディアを思いついた時に忘れないうちにメモをするためにも使っていました。

その他に研究ではないですが、就活中にも非常にお世話になりました。

Trello

紹介している他のサービスに比べるとマイナーですが、研究の管理と相性がいいサービスだと思います。
いわゆるカンバン方式というものらしく、ToDoとかDoneとか書かれたボードにタスクが書かれた付箋をペタペタ貼っていけるサービスです。詳しいことは公式の紹介や、他の紹介ブログを見たほうが早いと思います。

自分はToDo, Future, Doneという3つのボードを使って、

  • ToDo: 今やっていること
  • Future: そのうちやる予定、アイディアなど
  • Done: 終わったタスク

というように分けていました。1つのタスクの中にコメントやToDoリストを作ることができるので、授業の課題や論文を書いたりと実験や作業からしばらく離れた後でも、何をどうやってやるつもりだったのかを思い出すことができて便利です。

研究とは少し関係ないですが、個人でプログラムを書くときにも重宝しています。個人開発ならGithubのIssueより手軽でいいと思います。

Google Scholar

ここからは論文関係です。

論文を探すときは、普通のGoogle先生ではなくてScholarで探すほうが便利です。
検索結果に論文しか表示されないのでノイズが少ないことと、関連研究が検索されやすいので思わぬ論文に出会えたりすることもあります。
自分はLatexで論文を書いていたので、論文を引用するためのbibtex形式を出力してくれるのも便利でした。

ところで、IEEEとかACMで有料の論文も検索結果の「全バージョン」というところをクリックすると、大抵どこかにPDFが転がっているのはなぜなんでしょうか・・・?
おかげで、読みたい論文を教授にお願いして印刷してもらう必要がなくて助かりましたが。

CiNii

日本語論文ならCiNiiの方が見つけやすかったです。
オープンアクセス以外の論文は読むのにお金がかかりますが、「定額アクセス可能」ならば大学が契約している可能性があるので、大学のネットワーク内であれば閲覧できるかもしれません。自分の大学の図書館の情報をなどチェックしましょう。
CiNiiもbibtexを出力できるので、論文を書くときにはお世話になりました。

情報処理学会 電子図書館

情報処理学会の学会誌や論文誌、発表論文などを検索することができます。
非会員だと論文を一本読むだけで結構お金がかかりますが、学会会員だと学会誌の電子版や、色々な論文を無料で読むことができます。
会員であっても有料という論文でも、各研究会の会員だと無料で読めることもあります。

他の学会でも情報処理学会みたいなオンラインサービスが存在するのかは分からないです。人工知能学会とかどうなんだろ?

英辞郎

普通の英和和英辞書サービスですが、英語論文を読んでいて分からない単語を調べるのに愛用してました。
たまに、確率的勾配アルゴリズム:stochastic gradient algorithmみたいな専門用語も登録されてたりします。

Google翻訳

自動翻訳に頼ってすいませんでしたぁぁ!!!でも最近の自動翻訳ってケッコウツカエルンデスヨ?

何かとバカにされることが多い自動翻訳ですが、thatとかカンマで一文をとても長くしている文の構造の理解の助けになったり、慣用句とか専門用語をバッチリ訳してくれることがあるので、ときどき驚きます。
論文の翻訳だと意外なほどに健闘することがあるので、機械翻訳の学習に論文みたいな堅い文章を使ってるんじゃないかな。

ちなみに自動翻訳を利用するテクニックとして、訳すことのできない固有名詞や専門用語は"B"とか"C"みたいな表現に置き換えてしまうことで、わりと理解できる翻訳結果になることが多いです。Google先生すごい。

Ginger

こちらは英語のwritingの校正を自動でしてくれるサービスです。
間違いやすい冠詞(a, the)や前置詞(in, atなど)のチェックに便利。
正直、修正後の英文が正しいのかどうかも自信がありませんが(分かってたらこんなサービスに頼らないよ!)、自信がない英文はとりあえずGingerでチェックしてから判断していました。


以下、番外編

iPad

サービスではないですが(笑)
世間ではiPadというかタブレットは、Webを見たり、SNS、ゲーム、電子書籍などに使われているみたいですが、
違う!タブレットは論文を読むためのデバイスだ!

論文をDropboxに入れておけば、好みの電子書籍アプリやPDF閲覧アプリを使っていつどこでも論文を読むことができて、気になる参考文献があればGoogle Scholarで検索してダウンロードすることもできます。
あのくそ分厚いバインダーいっぱいに入ってる論文を、薄くて軽いタブレットで全て持ち歩けるなんて素晴らしい!

さらに、論文を書くときのセルフチェックにめちゃくちゃ便利です。
PCディスプレイで論文チェックしていても何故か誤字脱字にすら気が付かないことが多いので、今までは毎回印刷して赤ペンを入れていました。 が、iPadを使い始めてからは、

LatexでPDF生成 → Dropboxでダウンロード → アプリで赤ペン入れ  → Dropboxに戻す

だけで済むようになりました。
赤ペン入れに使ってたのはこの2つのアプリ(無料版)

MetaMoJi Note Lite

MetaMoJi Note Lite

  • MetaMoJi Corporation
  • 仕事効率化
  • 無料
https://itunes.apple.com/jp/app/upad-lite/id409143694?mt=8&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog

やはり紙と比べると誤字脱字の発見率は体感で約50%といったですが、約25%以下とザルなディスプレイに比べて実用的といえるぐらいマシになりました。
(余談ですが、紙とディスプレイでチェックの厳しさに違いが現れる原因は、光源の違いよりも姿勢の影響が大きいのではないかと個人的には思っています)

スタバ

MacBookiPad持ち込んで論文を書いたり読んだりお世話になりました(ドヤッ)
わりと冗談ではなくてですね、本当に捗りました。
毎日のように研究室で作業していると第2の自宅みたいな感じになって、ついついだらけてしまうことも配属直後のフレッシュな頃に比べて多くなりがちです。
そんなわけで、たまには外の喫茶店とかでWiFiを使わないで(これ重要)作業すると捗るものです。 ほら、いいアイディアも研究室にいないときの方が思い浮かんだりしませんか?

結論

Google Scholarで論文を探してDropboxに保存して、スタバでiPadを使って論文読んで、MacBookで論文書きましょう!